令和5年度 林道奈川安曇線B線災害復旧工事
令和5年10月より令和6年8月まで乗鞍から白骨に抜けるスーパー林道で災害復旧工事を行わせていただきました。
この工事は降雨等の要因で崩れてしまった林道を復旧するための工事で、下の地盤の強いところから「補強土壁工」という工法で積み上げていくものでした。
着工前 下から
竣工 下から
着工前 道路から
竣工 道路から
まず、現場の下に機械が入れるように仮設道路を造るところから始めました。
下へおりるための仮設道路
地山の状態を確認しながら工事を進めました、一番高低差のあるところで上部の道路から15m程度の深さまで掘削しました。
掘削状況
掘削し終わり地盤の強度検査をします。設計の強度が出なかったためさらに50㎝深くして基礎砕石を入れることになりました。
一点載荷試験(土質の試験)
12月からは雪も降り、工事の中断が続き苦労しました。
降雪時の現場
⇧施工方法の説明図(PDF)
雪にもめげずここから本題の「補強土壁」を施工していきます。
使用する材料(補強土壁材)
L字型の鉄網を所定の高さ・通りに並べ、ジオグリッドという繊維の入ったプラの網を敷き詰め繋げます。そうすることで土砂が外に逃げようとする力を留め安定させます。
補強土壁材の設置
ジオグリッド設置
表面に出る部分には植生シートを設置し、そこから草が生えより安定します。
植生シートの設置
1段目設置完了
設置が終わったら埋め戻していきます。1段あたり60㎝でそれを何段も積み上げていきます。
埋め戻し土搬入(クローラ―ダンプ使用)
埋め戻し土転圧
施工中、地山や埋戻土が雨等で水を含むと良くないのでブルーシートで養生しました。
雨天時への備え(ブルーシートで被う)
補強土壁設置完了
補強土壁工が終わったらサイドを埋め戻して植生シートを張っていきます。草を生やして安定させる意味と、シートがかかっているため雨が打ち付けても表面が荒らされにくいという効果もあります。
法面植生シート貼り付け
最後は道路の舗装しました。
アスファルト舗装施工
この現場は土砂崩落等の危険が予想されていたのでいつでも確認ができるようにカメラを設置し、スマホでよく確認していました。
監視カメラ(ソーラーパネル)
カメラからの映像(スクリーンショット)
今回長期にわたり片側交互通行となり通学のバスなど住民の方、観光の方にご迷惑をおかけしましたがなんとか工事を終えることができました。ありがとうございました。
色々悩まされる現場でしたが、動物たち(猿やカモシカやキツネなどなど)に癒されたり景色に癒されたりしました。
観光やドライブでこのスーパー林道(奈川安曇線B線)を通る際にはどんな工事をしたか見てみてくださいね。
現場からの美しい景色
環境部 部長 山﨑 祥平