令和7年度 農業水路等長寿命化・防災減災事業 郷士入中・下池地区 ため池廃止工事
令和7年11月~令和8年9月にわたり、三才山地区で「令和7年度 農業水路等長寿命化・防災減災事業 郷士入中・下池地区 ため池廃止工事」を行わせていただきました。
本工事は、使用しなくなったため池を廃止すると共に老朽化した側溝の改築をする工事です。
(2017年頃より、全国で集中豪雨等の要因により農業用ため池の決壊が相次ぎ被害が発生しました。その経緯もあり関係法律が施行され、全国で維持管理ができなかったり不要なため池の廃止工事が行われるようになっています)
施工前・完成予想対比図
着工前①(ため池の中から)
竣工①
着工前②
竣工②
着工前③(側溝最下流から)
竣工③
着工前④(ため池堤体の上から)
竣工④
〇まずは支障木の伐採を行いました。
地権者さんからの要望で紅葉は施工範囲外の場所に移殖しました。移殖した紅葉も春には芽吹きました。
伐木状況
〇ため池堤体の撤去を0.45m3クラスの重機と4tクラスのクローラダンプで行いました。
本工事では、発生土は外部に持ち出さないようになっているため現場内でやりくりしました。
ため池堤体撤去状況
発生土積込み・運搬状況
〇ため池と言うこともあり軟弱土で重機の通行もままならないため、敷き鉄板を工事道の下から上まで設置しました。
それでも敷き鉄板が埋まっていってしまうため、しょっちゅう敷き直していました。
敷鉄板仮設道
〇既設構造物の取壊し・撤去を行います(斜樋・余水口・側溝)
大きなものは油圧ブレーカーを使用し取壊しました。壊したものはクローラダンプに積込み、公道まで降りてからダンプトラックに積み替え搬出しました。
構造物取壊し状況
〇ため池内の堆積土はもともと改良する計画でしたが、それよりも下の土も軟弱土で改良が必要となりました。
ため池内軟弱土
〇サイドの土砂が崩れてこないように大型土のう袋で土留。
大型土のう設置完了(4段)
〇軟弱土は「生石灰」で改良します。土砂との配合比を図るためにサンプルを採り、検査会社に持って行ってもらいます。
配合量が決まったら、生石灰を重機でまんべんなく撹拌します。
生石灰は天然素材ですが、吸ったり肌に付くと良くないので装備をちゃんとします。
軟弱土採取状況



生石灰は土砂と撹拌すると土中の水分と反応し消石灰となり、その際に水分の吸収及び団粒化をし土砂の強度があがります。また、時間経過でポゾラン反応という科学反応を起こし、さらに強固となります。
石灰により水質がアルカリ性になるので、その水が農業水路に流れ込んでいないか確認するために工事期間中は毎日pH値の測定を行いました。
pH値の測定状況
〇改良土で盛土を行い、転圧します。これによりぐちゃぐちゃで進入できなかったため池の奥に進めるようになりました。
改良土の転圧状況(4tローラー)
〇側溝を設置していきます。
まずは掘削し、湧水の処理のため単粒砕石(細かいのが入っていない粒だけの砂利)と有孔管を設置していきます、その上に土砂が混じらないよう透水性のシートを敷いて、側溝(ベンチフリューム700mm幅)を設置。
掘削状況
湧水処理層の設置状況
側溝設置状況
〇法面整形などをして形を整えていきます。
法面整形状況

〇湧水処理層を要所に設置します。
当初は入れる予定ではなかったのですが、湧水がいたる所から流れているため湧水処理層を設置することになりました。
下の写真の箇所は深さ1.5mから単粒砕石を入れ、表面と地下の湧水を下流の側溝まで流すよう設置しました。
排水管の設置状況

〇最後に管理用の道路を整備していきます。
砕石を敷いていく前に砕石がめり込み辛くするようにシートを設置し、それから砕石を重機と4tローラーで仕上ていきます。
シート設置完了

今回山の近くということで、熊除け対策をおこないました。熊の気配はなかったですが、鹿やキジや季節の虫の声がよく聞こえたり、蛇などもよく出てきて賑やかな現場でした。

難儀な現場でしたが、市役所の担当の方達と試行錯誤しながらなんとか無事工事を完了しました。
このため池からハザードマップが広がっていて、住民の方も心配していたようですがこれで安心と喜んでいました。
長い期間お騒がせしてしまいましたがご協力ありがとうございました。
今回の苦労を今後に活かしていきたいと思います。
環境部 部長 山﨑




